2014年2月13日木曜日

Evernoteを使ったPHRはどう?

今年度の診療報酬改定は全面的に在宅医療にシフトするらしい。背景には、ベビーブーマー世代(団塊の世代)が75歳以上の後期高齢者を迎える2025年度問題がある。これからは地域連携医療の時代だ。その場合、いかに患者の診療情報を共有するかが重要になってくる。そのためのツールとして期待されるのがEHR(Electronic Health Records)とPHR(Personal Health Records)だ。前者は、データの蓄積も管理も医療機関が中心となる中央集権型の診療記録で、後者は、患者(個人)が主体となってデータの蓄積や管理を行う分散型の健康情報記録である。私は、後者の方が有望だと考えている。なぜなら、前者は多くの利権が絡み合い、すんなりと前に進みそうにない。加えて図体がでかいと意思決定に時間がかかり、その立ち上げに多くの改善が要求されるようなこういったシステムには不向きだからだ。その点、後者は基本的に草の根運動的なシステムなので小回りが利く。まずはPHRで固めて、次第にボトムアップでEHRへもっていく。そういったシナリオがもっとも現実的だと考える。そこで、PHRである。私は、スマホアプリによるPHRに期待している。今後、PCは減少の一途をたどり、いずれ家庭でPCを見かけるのも稀になり、もっぱらオフィスで見かけるだけになると推測している。そして、PCにとって代わるのがスマホだ。もうすでにその方向に進みつつある。というわけで、スマホをプラットフォームにしたPHRを考える。今回は、そのプロトタイプを手近にある既存アプリを使って構築する。ベースとなるアプリはEvernoteで、それに各種アプリやツールを組み合わせてPHRを構築する。たとえばこうだ。患者はEvernoteに自分の健康情報や診療情報を蓄積する。それぞれノートブックで情報のカテゴリを管理し、日々の記録はノートに記録すればよいだろう。病院ごとにノートブックを分けるのもいい。そして、他の病院に見てもらう場合、ノートブックに蓄積した診療記録に共有をかけるのだ。そうすれば、患者の了解のもとにその医療機関は患者の診療情報を閲覧できる。また、患者はいつでも共有を解除できる。つまり、診療情報は患者の管理下にあることになる。また、血圧、体重、体温などのバイタルはWelnessLinkなどのクラウドサービスを利用して日々蓄積する。これも、共有をかけることによって医療機関に参照させることができるだろう。さらに、Evernoteに処方箋を蓄積すればお薬手帳になる。GPS機能を利用すれば地理的な情報も管理できるので、GoogleMapなどの地図アプリと連携して何か面白いことができるかもしれない。アイデア次第だ。Googleカレンダーと連携して予定管理もできる。診療情報の取り込みは画像として取り込むこともできるし、テキスト情報として取り込むことができる。前者の場合であってもEvernoteにはOCR検索機能があるので必要な情報の検索ができる。紙媒体の取り込みではそのままカメラで撮影してもいいし、SHOT NOTEのようなツールを利用すればきれいに撮れる。QRコードを使えばテキスト情報の取り込みも可能だ。さらにタグを利用して正確な検索も可能だ。こうして考えていくと夢はどんどんと広がる。

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