2014年7月2日水曜日

カイセイくん、おばあちゃんの訪問看護を語る

今日はカイセイくんからおばあちゃんの訪問看護の話を聴きました。今作っているシナリオのモデルにするためです。おばあちゃんは週に2回の訪問看護サービスを受けています。1回につき約1時間半だそうです。訪問看護師は一人ですが実習生を連れてくるときもあるそうです。おばあちゃんが受けるサービスは、体温、血圧測定、入浴、爪切り、トイレの掃除などです。今はまだお医者さんには診てもらっていないけれど、そのうち近くのクリニックのお医者さんから訪問医療を受けるそうです。

在宅医療のIT化、施設連携には今やさまざまな手法の工夫がみられる

月刊「新医療」の別冊(2013年12月16日発行 第40巻別冊)は「診療所のIT化ガイド2014」という特集を組んでいる。この中のChapter5に「診療所主導で進む在宅医療のIT化」があり、その中の一つが標題の記事。章立てを追ってみると
  • 国策として進む在宅医療にIT化が求められている理由
  • 情報閲覧・入力ツールはタブレット端末が主流に
  • 在宅医療を視野に入れた電子カルテ選定のポイント
  • SNSを情報共有に活用する在宅連携の新たな取り組み
  • 多職種間連携において今後考えるべきこと
ポイントは、「在宅医療」は「国策」になっていること。 情報端末はノートPCからタブレット端末へ移っていること。情報共有にSNSが利用され始めていること。「多職種間連携」という概念が浸透してきていること。2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、国民の4人に一人が高齢者になるというあの「2025年問題」がやってくる。それを迎えるためには医療・介護の受け入れ態勢を整備する必要があり、在宅医療、施設間連携におけるITの役割がますます重要になってくる。

この文献を読んで学んだこと

  • 在宅医療の特徴
  • 患者側に出向く”医療”である
  • 24時間365日の対応が必要
  • 介護も含めて多職種、他事業所との連携によって成り立つ
  • SNSを情報共有に活用する在宅連携の新しい取り組み
    • 連絡ノート
      • 関係するスタッフが訪問記録や連絡事項を記載する方法
      • 患者宅に行かなければ情報を確認できない
      • 2週間に1回、あるいは1か月に1回訪問する医師にとっては、訪問時に2週間分、1か月分の記録に目を通すだけでも大変(医師の訪問時の平均滞在時間は**分)
    • 多職種間での情報共有をIT化するシステム
      • 連動した電子カルテの情報
      • 訪問メモ
      • バイタルサイン
      • 訪問スケジュール
      • 時系列の検査結果
      • 申し送りや連絡
    • LINE、Viber、FacebookのようなSNSの活用
      • 診療所用のスマホを職員が常時チェック
      • 訪問先の医師がリアルタイムで指示
      • 手軽で即時性が高い
      • テキストとして残るので電話よりも伝達ミスが少なくなる
    • 医療・介護専門のSNS
  • 情報を誰にまで公開するか
    • 医療に関する情報は訪問看護師と全て共有すべき
    • 財産のことや家族の人間関係なそ、生活に関わる情報
      • 非常に個人的なもの
      • 「あの看護師さんには知らせていいけれど、あの看護師さんには知られたくない」
      • ヘルパーが近所に住んでいる場合、人によっては生活情報をあまり知られたくない(これは地域で介護・・・といった政策と衝突するね。個人情報の保護やプライバシーの保護という現代的なテーマとどこまで折り合いをつければよいのかな?)
    • 情報量と重要度の問題
      • 医師が知らなければならない情報は意外と少ない
      • 「この部分だけは見てほしい」というマーカーをつける
      • サマリーを添える
      • 文化なしに情報だけ増えても、結局は活用されない

参考文献



診療情報の電子利用

平成26年6月28日の朝日新聞朝刊beの記事。最近やたらとこの手の記事が目につく。今に始まったことではないが、他分野に比べて遅々として進まない。その理由を考えてみると、一番の問題は、記事の末尾に登場する東京医科歯科大の田中博教授が言うように「意識の問題」だと思う。今は情報過多の時代。下手をすると患者の方が自分の病気に関する知識はたくさん持っているかもしれない。なぜなら自分の命に係わることだから。死に物狂いで情報を収集するだろう。中にはそおの病気に関する症例研究や論文を読みこなすつわものもいるかもしれない。だから「(カルテの)内容が専門的で患者には理解できない」といった危惧はもう当たらないのかもしれない。しかし、インターネットの情報は必ずしも正確ではない。時には間違っていることさえある。であるからこそ、正しい知識を提供するのが医療提供者側の仕事ではないだろうか。その方法の一つとして電子カルテの開示がある。専門用語があればリンクを貼ればいい。これこそまさに電子文書の強みではないか。しかもそのリンクは信頼性の保証のないインターネットのサイトではなく、専門家の評価済みの医学知識データベースサイトを構築してそこへリンクを貼ればいい。そのようなシステムを構築するのにどのくらいの費用がかかるというのだろう。医療IT分野の産業界はそういった仕組みを構築して提供しようという発想はないのだろうか。


DPC病院のマップ

厚労省のサイトにあるH25年度DPCデータからDPC病院(参加:1501病院、準備:239病院、出来高:34病院、合計1792病院)をGoogle Fusion Tables を使って Google Map 上にプロットした(下の図をクリックするとGoogle Mapを表示します。


http://kumw-info.ddo.jp/~mtanaka/fusion/hospital/dpc.html