2013年12月2日月曜日

スマートデバイスのUXデザイン

以下、ITproメール 2013年12月2日(日経BP社 ITpro)からの引用

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□ ◆パソコンとはここが違う、スマートデバイスのUXデザインとは □□‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 ユーザー体験を示す概念「UX(User eXperience)」の注目度が日増しに高まって いる。UXの定義はいろいろあるが、簡単に説明すると、「ユーザーがある製品やサー ビスを利用したときに得られる満足度」となる。加えて、そうした満足度を提供でき る操作や機能、画面などを実現することは「UXデザイン」と言われる。

 こう書くと「UXはUI(User Interface)とどう違うのか」と思われる方もいるかも しれない。UXは人がどう知覚してどんな反応をするかというまさにユーザー体験その ものである。一方、UIはそれを実現する機能、例えば動作や内容、音、振動、見た目 となって現れるものである。仮にUXを「食事」という体験に例えるなら、UIはナイフ やスプーンといった機能(手段)となる。つまりUIはUXの一部と言える。

 このためUXデザインで大事な点は、まずUXありきということになる。もちろんカラ フルな画面など、見た目がきれいにこしたことはないが、それで終わりではない。ユ ーザーが満足できるかどうかをまず考慮すべきなのだ。

 だから最適なUXとは、ユーザーやシチュエーションといったユースケースによって 変わる。先ほどの食事の例でいえば、欧米の人ならナイフやフォークでいいが、多く の日本人はお箸のほうを好むだろう。このように、人によって食器というUIを変える ことで、UXを向上させるのが優れたUXデザインとなる。

 UXデザインは様々な分野・機器で取り入れられつつあるが、ITの分野ではパソコン とそのアプリケーションが主な対象だった。ユーザー満足度を高めるUXデザインの手 法やノウハウはたまりつつあり、書籍などでも紹介されている。

 ただ、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスになると、事情は 異なる。スマートデバイスはジェスチャーなどによる直観的な操作が可能なので、パ ソコンのとは違うUXのノウハウが必要となる。例えばパソコンでは、画面上の視線の 動きを重視して、視線が左上から右下に流れるようにボタンを配置する。一方、スマ ートフォンでは画面遷移の動きに重きを置き、左上と右上にボタンを配置する。こう することで、スマートデバイスではパソコンよりも快適なユーザー体験を実現できる 可能性がある。ハードやソフトの性能向上にとどまらない、より大きな飛躍をかなえ てくれるUXデザインの今後に期待したい。                     

(加藤 雅浩=日経コミュニケーション)

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