2014年7月2日水曜日

診療情報の電子利用

平成26年6月28日の朝日新聞朝刊beの記事。最近やたらとこの手の記事が目につく。今に始まったことではないが、他分野に比べて遅々として進まない。その理由を考えてみると、一番の問題は、記事の末尾に登場する東京医科歯科大の田中博教授が言うように「意識の問題」だと思う。今は情報過多の時代。下手をすると患者の方が自分の病気に関する知識はたくさん持っているかもしれない。なぜなら自分の命に係わることだから。死に物狂いで情報を収集するだろう。中にはそおの病気に関する症例研究や論文を読みこなすつわものもいるかもしれない。だから「(カルテの)内容が専門的で患者には理解できない」といった危惧はもう当たらないのかもしれない。しかし、インターネットの情報は必ずしも正確ではない。時には間違っていることさえある。であるからこそ、正しい知識を提供するのが医療提供者側の仕事ではないだろうか。その方法の一つとして電子カルテの開示がある。専門用語があればリンクを貼ればいい。これこそまさに電子文書の強みではないか。しかもそのリンクは信頼性の保証のないインターネットのサイトではなく、専門家の評価済みの医学知識データベースサイトを構築してそこへリンクを貼ればいい。そのようなシステムを構築するのにどのくらいの費用がかかるというのだろう。医療IT分野の産業界はそういった仕組みを構築して提供しようという発想はないのだろうか。


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